◇Dr.パルナサスの鏡

何というかあらすじの書きにくい映画だにゃあ『Dr.パルナサスの鏡』。
不思議映画はこういう時に困るんだよね~。
重要なキーワードをあらすじに絡められないのは心苦しい限り。

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パルナサス博士が率いる貧乏一座は、橋の下で首を括られて吊されていた男を助ける。息を吹き返したものの記憶障害を起こしていた男は、そのまま一座の手伝いを始める。
一座が観せるのは”幻想館”と呼ばれる、鏡の向こうの不思議な世界。そこは鏡の中に足を踏み入れた人物の想像力とパルナサス博士の力の生み出した世界であり、パルナサス博士と悪魔(?)Mr.ニックの賭けの場所でもあった。
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何が吃驚したかって、自分の人物認識能力。
鏡の世界に入ったトニー(ヒース・レジャー)は、色々な人物(ジュード・ロウ、コリン・ファレル、ジョニー・ディップ)に姿を変えるのだけれど、顔(というか俳優さん)が変わっていたことにほとんど気が付かなかった・・・。
いったい何を持って同一人物だと判断しているんだろう、自分。
我ながら駄目すぎて、ちょっとショック。
コリン・ファレルが出てきた時は、その眉毛故に変わったことに(かろうじて)気が付くんだけど。
他はもう駄目。全然気が付かなかった。

別々に見れば、そんなに似ているとも思わないんだけど。
いや、きっと俳優さんの演技力故なんだわ。
絶対そう。そういう事にしておこう。

パルナサス博士の鏡の中に入った人は、必ずなにがしかの選択を迫られる。
二者択一の選択で、パルナサス博士の用意した回答を選べば素晴らしい充足感とともに外に出てくることが出来るけれど、Mr.ニックの回答を選べば・・・。
というのが鏡の中のルール。
そしてそのルールによって、パルナサス博士とMr.ニックの賭けが行われ続けているらしい。

しかしその用意された回答が酷い。
人としてどうとか倫理がどうとかってよりも、もろにパルナサス博士の趣味(?)が出てるっぽい回答が用意されていたりする。
他の人達はともかく、ロシア人のヤーさん達へ出した選択肢は酷すぎるよ。
おっさんミニスカポリスと田舎のママだったら、普通はママを選ぶだろう。
むしろおっさんミニスカポリスを選ばれたら引くだろう。ドン引きだ。変態だ。
普通にミニスカポリスにするか、普通のおっさん警官を配置したらあるいは勝てたかも知れないのに。
なんというか、パルナサス博士がMr.ニックに負け続けている敗因はあの辺にあるんじゃなかろうか。
気が付け。

っていうかまァ、どちらにしてもパルナサス博士がロクデナシであることは間違いがないので、同情する気にはならないんだけど。
懲りないっていうかなんていうか。
世の中には賭けちゃいけないものってあるのになァ。

でもこの映画に出てくる人達のほとんどはロクデナシだったような気もする。
博士を筆頭に、トニーもアレだし、娘さんもちょっと。
真の賢者はパーシーだけであるってオチなのか。
っていうか、パーシーこそ一体何者だったんだよう・・・。

~総評~
あんまり詳しい話しを知らないんだけど、ヒース・レジャーはこの映画を撮影の途中でお亡くなりになったということなのでしょうか?で、それを補う為にトニー役をいろんな人物が演じていたということなのかしら。そのせいなのか、なんかちょっとバタバタした感じだった。でもまぁ、それ故の面白さも付加された映画だったような気もする不思議映画。そういう裏事情を考えたら上手くまとめたと言うべきなのかしら。今ひとつ分かりにくい部分もあったけど、それなりに楽しめました。取り敢えずトニーが悪人で良かったです(笑)、はい。

 
 

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