非常~にオタクな理由(笑)から『アルゴナウティカ』という本を読みました。

叔父によって不当に奪われた玉座を取り戻すべく王の元を訪れた若者・イアソンは、彼が前王アイソンの息子だという身の証を立てる為、王の指示により黄金の羊毛を求めて旅をすることとなる。
やがてイアソンの元には、彼の冒険の話しを聞いた世界中の勇者達が数多く集まってくる。
そしてイアソンは仲間達と共に、暁の女神アテナによって作られた帆船アルゴ号に乗り込み海原へと漕ぎ出してゆく--。

みたいな出だしな訳ですが。

その昔はいわゆる吟遊詩人とかそういう人が歌って聞かせていたお話なんでしょう。
まんまそんな文体で書いてあるので非常に読みにくく、かつ、まさに「歌うように」お話しが進んでいく為、案外さらっと読めてしまうという妙なお話でした。

それにしても笑ったのは、当代きっての英雄・ヘラクレスを「うっかり」途中の国に置いてきてしまうというエピソード。
船の中ではイアソンの次くらいに偉くて特別な漕座にいるような人物なのに、「うっかり」と置いてくるか?
読んでるこっちが吃驚だよ!
しかもこの人達、拾いにも戻らないし。
薄情者!<まあ、色々あったわけですけどね

その他にも色々と、まさにツッコミどころ盛りだくさん。
文化の違いを感じました。


絶対に自主的に読もうとは思わないであろうジャンルの作品なだけに、非常に楽しかったです。
いやぁ、やっぱり世の中の人は面白い本を知っているもんだなぁ。


ところでこの本、「『アルゴナウティカ』の唯一の翻訳本」というのがうたい文句になっているんだけど(amazon.com参照)。
実はこれ以前に発行された文学全集の中に収められていたりするんだよね。
どゆこと?
 
 

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