風の海 迷宮の岸―十二国記
ISBN:4062648334 文庫 小野 不由美
講談社 2000/04 ¥660(古本屋で¥350−)
天啓にしたがい王を選び仕える神獣・麒麟。蓬莱国で人間として育った幼い麒麟・泰麒には王を選ぶ自信も本性を顕わす転変の術もなく、葛藤の日々を過ごしていた。やがて十二国の中央、蓬山をのぼる人々の中から戴国の王を選ばなくてはならない日が近づいてきたが―。


 この世界では国を治める王は、天の意志が決める事になっている。その王を選ぶのが麒麟と呼ばれる聖獣で、麒麟に選ばれる事がなければどのように優れた人でも王になる事は出来ない、というシステムになっている。このシステムがね。どうにも好きになれなくてなあ。
 麒麟は天からのお使いみたいなもので、王たるに相応しい人物を見分ける能力を備えている。その力を使って王を選ぶ訳だから、能力的に足りない人を選ぶ事はない。まあ、ある意味”間違えない”わけだが。なんというかこう、凡人の努力を一切受け付けて貰えないのも切ないよなあと。凡人であるところのM太なんかは思うのだけれど。効率的なシステムであることは間違いがないんだけど、なんとなくなあ。
 
 とか言いつつも、実はもう、お話しがどうとかこうとかよりも、泰麒が無事に王様を選べて良かったなあ!と思ってしまう。ただひたすらほっとしたという感じ。ホントに一時期はどうなることかと。ちょっとした女仙の気分を味わわせて貰いました。ありがとう。
おかげで驍宗のひととなりがよく分からなかったような。どうなんでしょう、この人。使える人なんでしょうか。やはり延王と比べてしまうと、どうしても「がんばれ、ワカゾー」感が拭えないのだけれど。今後、もう少し書き込まれることを希望しますよ。
うん、ここの主従はなかなかイイね……。
 
 

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