ヤーンの朝がかれらのまわりにあった。

ヤーンの朝
ISBN:4150308071 文庫 栗本 薫
早川書房 2005/08/09 ￥567

グインに負わされた深手によって、イシュトヴァーンは生死の境をさまよう。忌まわしい悪夢との格闘のすえ、意識を取りもどしたイシュトヴァーンの心にはある変化が起こっていた。いっぽう、山火事に追い立てられ、ユラ山系を逃げまどっていたグインとスカールたちは、グラチウスが起こした突然の豪雨に、九死に一生を得る。またそのころ、ユラ山系の状況を伝え聞いたケイロニア軍内でも、グイン捜索のための新たな動きが。

！！！　いきなりネタバレですよ。！！！
！！！　気を付けてくださいよ　　！！！
！！！　頼みますよ！　　　　　　！！！
　
　
　
　読み始めて、「アレっ？！アタシ1冊くらい読むの忘れていたかしら！」と思った（笑）話しが唐突に始まるんだもん。なんだよ、山火事の後何があったんだよ。教えろよ、黒太子。

　はた迷惑な魔導師おじいちゃん二人のせいで、えらいことになっている人たちが続出。ヴァレリウスどうするんだろうなあ。ケイロニア軍をどうやって説得するんだろう。気の毒なヴァレリウス。本人が言う程「貧乏くじひき」でもないとは思うけど、やっぱりちょっと気の毒かも。
　そして一番ちゃっかりなのがマリウスなのかも。誘拐（？）された辺りの話しはサラッと流されたし。なんだよ、何があったんだよ。教えろよ、吟遊詩人。

　と言う様な感じで、なんだかスッキリしない巻だった。次の章（？）への繋ぎ、みたいな感じらしいんだけど、まるっと一冊をそういうのに当てちゃう辺りが『グイン・サーガ』ならではっていうかなんていうか。そりゃあまあ、100巻で終わらないよね……。
　でもイシュト手紙がさりげなく泣かす。どういうふうに転んで行くんだろうなあ、コイツ……。