孫子を読む
ISBN:4061491636 新書 浅野 裕一
講談社 1993/09 ¥735(図書館)
人間心理の奥底を見つめ、「必ず勝つ」方法を冷徹に追求しつづけた孫子。勝算の冷静な分析、無勢で多勢に勝つ方法、リーダーに迫る五つの罠―など、しなやかな知と逆転の発想にみちた「最古最高の用兵理論」を読みとく。

 たまには毛色の違う物を読んでみようかと。

 というわけで、ちょっといいとこどりの感もある『孫子を読む』。でもこの手の本はいきなり本物を読んでもさっぱり分からないから、こういうのを先に読むのも有りのはず。というか本物は読めないだろうし。
 『孫子』の作者は二人居て、それらを後に編纂した物が現在残っている『孫子』と言われる書物らしい。
 作者が生きていた時代が春秋戦国時代とかって書いてあったような(うろ覚え)。『三国志』より前の時代だよな。曹操が『孫子』を愛読していたっていう記述があるらしいので。そうすると「前XXX年」とかいう時代だっけ?そんな時代からこういう物を作っているあたりスゴイ。
 で、時代は変わっても結局戦争は経済活動なのかなあと。『孫子』でも繰り返し「戦わずに勝て、戦う前に勝て、勝てないのなら戦うな」という様な事が書かれている。要は「戦闘すると金がかかるから無駄な戦闘はするな」ってことらしい。「勝っても儲からない戦争はしてはならない」らしいし。「悋気の発想」ってやつだなあ。曰く「欲張りは戦争を愛し悋気は戦争を憎む」だね。
 他の兵法書なんて読んだ事もないけど、『孫子』の徹底した合理主義は面白かった。正義感と義侠心のみで行われた戦争なんてないってことね。ふんふん。

 当然の事ながら軍隊の指揮官や君主という、人に「死ね」と命令する立場の人々に向けて書かれている本なので、なかなか怖い事を言っている。う〜ん、日本は徴兵制がなくて本当に良かった。「死ね」と言われるのも「殺せ」と言われるのも謹んでご遠慮したいもんなあ。味方に死ねと言う立場になるのもたまらんし。平和ボケと言われても、やっぱり平和が一番です。
 
 

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